昨日に引き続き京都での教育視察です。
本日は京都市立西京高校を視察させていただきました。
前身は明治19年創立の京都市立第一商業高校。
戦後京都市立西京商業に改称し、平成15年に校舎の建て替えに伴い、
商業科を全廃し、普通科ではない専門科として「エンタープライジング科」という
グローバルリーダーを養成することを目的として、企業とのコラボレーションや
実践的な英語教育、活発な国際交流などにより、
実践的な教育を導入した学科に全面的に切り替え、今の京都市立西京高校に改称しています。
OBには島津製作所や任天堂のオーナーなど京都財界を支える
そうそうたるかたがたが名を連ねる創立127年を誇る名門です。
また平成16年からは付属中学校も創設して、中高一貫校となっています。
京都市立の高校は10校あるそうですが、
京都市立堀川高校の独創性が有名で、この西京高校も堀川と競い合うように
今ぐんぐん伸びている高校です。
特徴は、先に述べた「エンタプライジング科」ですが、
いくつか具体的に説明すると、
①ICT教育も積極的で高校生は自分専用のノートパソコンを入学時に購入。
授業にも宿題にも使用します。校内はもちろん無線LAN完備。
教室もホワイトボード使用にしてパワーポイントの投影ができたり、
特別教室もすべてIT対応です。
②「授業中心主義」。塾に行かなくても勉強がわかるような体制が充実。
土曜日はほぼ毎週登校して「土曜活用講座」として社会人講師の講演を聴いたり、
模試を受けたりとし、平日も7時間授業で終業時間は16:30。部活は18:30まで。
自習用の「学習室」が完備されており、朝7:30~19:30まで開放しており、
学習室には勉強を教えるために、卒業生の現役大学生がアルバイトとして放課後は常駐。
(チューター制度)。そのうえでセンター試験は全員が受験するなど、
”ものすごい”です、とにかく。
③校外活動には活発に参加。
「ESS英語ディベート大会」や「英語ビジネスアイディアコンテスト」
”知の甲子園”と言われる「MESE選手権」などで優秀な成績を収め続けています。
英語のコミュニケーション能力の養成には特に力をいれています。
海外には必ず「フィールドワーク」として毎年各自目的をもって出かけます。
④部活も意外と強い。
陸上部は毎年インターハイ選手を輩出する名門です。
効率的に時間を使うことを実践している証拠かもしれません。
まあ、ざっとこんな感じですが、
とにかく生徒の顔つきが違いました。生き生きしてるというか、芯をもっているというか。
また、グローバルリーダーを育てると謳いあげているだけに、明るく積極的。
ちゃんと大人の顔を直視して自分のことばで話します。
西京高校のことを表した、生徒たちの合言葉は
『めっちゃ たいへん。めっちゃ がんばってる。だから、めっちゃ たのしい』
・・・実際、確かに生徒たち『たいへんだけどたのしい』って言ってました!
昨日の京田辺シュタイナー学校とは違った意味での、驚嘆がありました。
”真逆”なかんじでしょうか。
文部科学省の学習指導要領方針下での目いっぱいの創意工夫された学校でした。
んー、ここでも子どもを学ばせたい衝動に駆られる学校でありました(笑)
京都の教育には本当に学ぶところが多かった視察となりました。
お時間をいただき、ご説明いただいたみなさまにこころからの感謝をしたいと思います。
静岡県の教育もよい方向に向けられるよう微力ですが尽力したいと思います!
追伸
京都の高校には全校に「茶室」が完備されているようです。
西京高校でみせていただきましたが、裏千家の監修による設計だそうで
素晴らしい茶室でした。
さすが京都、ですね。
「茶の都」を標榜する静岡県も、これこそまずは見習わないといけないのでは・・・