土曜日の新聞報道で
「浜岡原発1号機2号機廃炉へ」という記事が踊りました。
両機とも長期に渡る定期点検中で(1号機は配管破断事故から9年)
県議会でも“長すぎる点検”に疑問符がついていたものです。
秋に総務委員会でも佐賀の玄海原発視察の際にも
「定期点検は数ヶ月~半年」というパターンと聞いて
この“長すぎる点検”が話題になったばかりでした。
本日の総務委員会で、(正式には休憩中に「経過報告」として)
中部電力側からの説明を受けて防災局長から報告がありました。
正式には「まだ決まっていない」とのこと。
「廃炉の可能性も含めて検討中」だとのことで、
「正式に決定次第報告します」ということでした。
また、「何よりも安全安心を第一義に考えての検討にしてもらいたい」こと、
そして、「地元関係者、自治体等との約束や意向が第一となる」ので
今回のような「寝耳に水」のような事態は避けてもらいたい、
という趣旨の申し入れを県としておこなったとのこと。
この問題については中部電力の決定を見守りましょう。
しかしながら、一般論として申し添えておくと、
「廃炉問題」というのは、日本の原子力発電所が高経年化問題を
近い将来抱えることになる(1970年代が原発建設ラッシュ。
ゆえに30年~60年といういわば“寿命”を終える原発が
このさき続出することに)だけに、避けては通れない問題です。
廃炉するとしても、普通の工場のようにすぐ解体できるわけではなく
放射生物質の除去等に10年近く時間をかけねばならず、その後も
解体した放射能をおびた資材等の処理にも当然手間もお金もかかる
ことになります。現在日本で「廃炉作業」に入っているのは2例だけ。
(ただし実験炉。浜岡のような商業炉の廃炉はまだない)
いわば、“世代をまたぐ作業”になる可能性も高く、
将来のエネルギー問題を考える上でも、
みなさんご認識いただくべき問題なのです。
また、実は先週は原子力関連でもっと大きな問題が報道されていました。
「六ヶ所村における核廃棄物ガラス固化体実験失敗」の報道です。
「核廃棄物のガラス固化体」とは、「高レベル核廃棄物」は液体であり、
それを固形にして安全な場所(地下数百メートル)に保管することが
現在考えられているもっとも安全な廃棄物処理の手段であり、
その固体にするために、高レベル核廃棄物にガラズ原料を混ぜて固化し
ステンレス容器にいれて「ガラス固化体」にすることを恒常的にできる
ノウハウと施設をつくる実験が六ヶ所村でおこなわれていたのです。
ところが、失敗が多くいまだ安定的な「ガラス固化体の製造」が
できる段階に至っていないというのが実情だと思います。
今回の失敗は、「かき混ぜ棒が曲がってしまった」という
放射能漏れが心配されるような深刻なものではないのですが、
モノが放射能関連施設だけに、復旧するにも手間がかかります。
この「ガラス固化」が確立されないということは、
「原子燃料サイクル」「プルサーマル計画」にもひずみがくることに
なります。(どちらにせよ核廃棄物は発生するわけですから)
さてさて、
原子力をとりまく環境は、相当大変なものなのです。