福田改造内閣について
少々私見を述べさせていただきたいと思います。
なんでも総理自らのネーミングで
「安心実現内閣」だそうですね。
ほほー なるほど、と感じました。
霞ヶ関の中央官庁と一体の総理にとっては、
霞ヶ関批判派を排し、各派閥の実力者を並べた
この内閣は、ご自身にとっての
「安心実現」なんだろうなあ、
と私には思わざるをえません(苦笑)。
それがわかりやすいのは、
財政改革の自民党内2派の処遇に表れています。
財政改革をめぐって自民党には2つの考え方があります。
「上げ潮派」と「財政再建重視派(財政タカ派)」。
このふたつを簡単に説明しますと、
「上げ潮派」は、
産業の成長によって税収を増やす。
そのために成長産業を選別し、重点的な予算配分、
補助などをして成長を促す。
そして一方では不採算産業の徹底した切捨てを行う。
また、俗に「埋蔵金」といわれる、
特別会計、独立行政法人、公益法人に隠れた
税金の無駄使い、プール金を徹底して洗い出し、
増税はこの「埋蔵金」を使ったうえでの
”足らず米”の分の増税とするのが筋だろう。
と、いう考え方のひとたち。
(考え方は民主党の主張に近いデス)
「財政タカ派」は、
霞ヶ関各省庁の言うとおり”埋蔵金など存在しない”
というスタンスで、財政再建を考える。
経済成長など夢物語なので、まずこの窮地を脱するために
国民に増税を求め、早期の財政再建をめざす。
と、いう考え方のひとたち。
こう書くと、だいぶ「財政タカ派」が悪者に思われますが、
「上げ潮派」とて、前提となる「経済成長」の絵を
描ききれているわけではありません。
みなさんはどうお考えになりますか?
本題に戻ります。
そこで、今回の閣僚名簿をみると
見事に「上げ潮派」が一掃され、
財務、外務、経済産業、国土交通など主要ポストを
見事なまでに「財政タカ派」が占めています。
なるほど。
福田さんは、本来の自分のスタンス一色で
勝負することに決めたんだ、
という思いが、
私にはこの改造からにじんでくる気が致します。
つまりは、この内閣は
”霞ヶ関と一心同体でゆく”という
旧来型自民党政治の権化のような
内閣であるように私は思います。
さて、そこで民主党は
このわかりやすい対立軸を作ってくれた福田総理に
どのような政策や日本の将来のグランドデザインを
ぶつけてゆくのか、ここが注目のしどころです。
当然ながら、
地方からもガンガン突き上げますよ!
それでないと「生活感の政治」なんてできませんから。
しっかりやります!
そして、総選挙の時期もこれで波乱含みですね。
麻生幹事長や野田聖子大臣などの人気にのって、
9月国会の冒頭からバラマキ型の補正予算だけ組んで、
一気に勝負、ということだってありえます。
なんてったって、福田総理がいつ自民党内からの
”福田おろし”に直面するかもしれない情勢だけに、
総理のみがもつ「解散権」をムザムザ行使しない
ということは、考えづらいですからね。
自分にとっての「安心実現内閣」であるのなら
余計”この布陣で負けたらいたしかたない”
という心境の福田総理が、私にはちらついてなりません。
「今秋総選挙」
覚悟をしておかねばなりません。