静岡県の災害対策を再考する

このところ、台風、地震と自然災害の恐ろしさをあらためて感じています。
台風が上陸していないのに、驚異的な集中豪雨で20名を越す死者が
でてしまった兵庫県佐用町の被災。そして、静岡地震。
ともに「想定外」の事実が発生しています。
”自然は人智を超える”ことは、わかっていながらも、
こうして厳然たる自然の力と人間の無力さの事実をつきつけられると
愕然とする部分はあります。
お亡くなりになられたかたのご冥福を心よりお祈り致し、
お怪我をされたみなさま、被災をされたみなさまにあらためて
お見舞いを申し上げます。

さてこの際、静岡県の防災について整理しておきたいと思います。
今回の静岡地震で浮き彫りになった防災のキーポイントは、
①東名高速道路
②新幹線および東海道本線
③浜岡原子力発電所
④情報伝達
⑤ライフライン
①と②は、静岡県の動脈であると同時に”アキレス腱”でもあります。
また、静岡県の立地的にここは日本全体の「大動脈」であり「弱点」で
あることも今回如実に表したと思います。
東西をつなぐ高速道路は中央高速道路という代替はあるとはいえ、
経済・物流だけでなく県民生活への影響は甚大であるといえます。
そのための平成24年県内全線開通予定の「第2東名」ではあるのですが、
山間部を通り、トンネルと橋梁、切通しが多くを占めるだけに、
今回の地震の影響がどの程度だったのかも精査する必要があります。
新幹線・東海道本線は今回は幸い長時間の運休はなくて済んだものの、
東海地震の折はまちがいなく寸断されるものと考えてよいでしょう。
こちらも15年後に開通予定のリニア新幹線の必要性が
高まることになりました。
また、①②の代替としては「空」と「海」です。
やっと静岡空港の活躍の場がでてきますね。
浜松、静浜の航空自衛隊基地とともに災害復興支援拠点としての
観点でもういちどよくチェックしてみようと思います。

さて、問題は③~⑤です。
浜岡原子力発電所。
やはり心配な地盤の問題がでてきました。
1、2号機の廃炉と6号機の新設、乾式使用済み核燃料貯蔵施設の
建設計画がでてきていますが、今回の地震であきらかになった
”事実”を元に、よーく精査をし、直接の脅威にさらされる
地元のみなさまのお声もしっかりお聞きしながら協議してゆかねば
ならないと思っています。簡単な問題ではないと痛感しています。

情報伝達。
このブログをお読みいただいている静岡県のみなさんは、
あの地震発生直後どのように情報を得られたでしょうか?
多くは「テレビ」ではないでしょうか。
今回はほとんど停電がなかったからよいものの、
停電したらテレビは映りません。
ではその代替としてラジオは用意されておられるでしょうか?
また、「同報無線放送」が整備されており今回も放送がはいったと
思いますが、これがもし台風や風雨の強い日であったら
これ、聞き取れないのです。
この危惧は私は市議時代から提示し疑問をぶつけてきたのですが
「整備が進んでいるので」の一辺倒でした。
この際、「防災ラジオ」や携帯電話の活用などが現実的と
考えられますのでもう少し研究してゆきたいと思います。

そして、ライフライン。
前出の東名高速道路の復旧作業。
そして断水やガス漏れに対する対応。
これらは、その名の通り「生活をつなぐ」大切な術です。
私は、これらに従事してくださる公共セクターの要員や
関連する民間業者は平時よりキチンと保持しておくべきだと
考えています。また技術の保持・継続も大切です。
「行政改革」の名のもとに、”一律カット”というカタチで
このライフラインを守るひとたちも減らされている、
減らざるをえない状況にあるのが現状です。
この際、もういちど精査して、「守るべきは守る」という観点で
「一律行革」を考え直すべきだと思っています。
税金を投入することには、なんらかの意味があるべきです。
ゆえにときに不採算の部門でも、有事に備えた税金投入はあるべき、
と常々私は考えています。

以上、”考え、即行動”をおこさなければならない静岡県です。

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