「富田メモ」について。
真贋検証、論争がこれからおこなわれるだろうから
多くを語りませんが、いくつか私信を書いておきたいと思います。
まず、これが「日経新聞」のスクープだったということ。
これは、この種の問題に対して日経のスクープはめずらしい。
つまり、「財界からのリーク」を疑わざるえない。
時期といい内容といい”恣意的なモノ”を感じるのは
私だけではないだろう。
内容についても、昭和天皇が「A級戦犯」としてひとくくりに
されることは、いままでの史実と照らし合わせると考えづらい。
少なくとも、東條英機氏への信任の厚さや戦後の東條家への
お心遣いを鑑みると理解しづらいと考える。
また、前後の文脈も未確認であり、正確な史実の検証がまたれる
ところです。
そして、なによりも今我々が念頭において議論せねばならないのは、
昭和天皇は、真偽はともかく、この「富田メモ」の内容を
公表していなかったという事実である。
その「お心」は理解したうえでの論議が必要だと思う。
「多層的に史実を集め、さまざまな角度から斬ってみる」
それが、歴史を検証するということではないだろうか。