自民党の総裁選挙が本日告示、23日投票となり、
福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長の立候補が確定しました。
各メディアで分析や観測は様々されていますが、
わたしでさえもよくみなさまに聞かれます。
時節柄ですので、個人的な観測を少々書かせていただきます。
あくまで、個人的な考えですので、これについては
結果責任は取れませんのであらかじめご了解を(笑)
単刀直入に勝敗だけでゆくと、マスコミの一致した見解どおり
福田元官房長官が勝ちます。
この裏にある”自民党のホンネ”を考えると、
「先祖返り」もしくは「オールドファッション」でしかない。
今回の参議院選挙の惨敗は、自民党にとっての衝撃はすさまじく
察するに、あまりの衝撃で思考混乱状態の中、当面の打開策として
行き着くところがこの「先祖返り」であろう。
つまりは、小泉総理の牽いた二つの大きな路線転換を元に戻すということです。
「格差容認の弱肉強食」「行革の美名のもとの容赦ない地方切捨て」路線から、
旧来の「八方美人」「バラマキ」路線への再転換。
そして、もうひとつはほんの少しだけ動いてきていた「政治主導」から
「官僚支配」への完全な復帰。
前段の「格差社会の解消」は民主党も掲げる大切なファクターだが、
今回自民党は、「とにかく地方の支持を取り戻す」ということに躍起で
手っ取り早く本来の自民支持層の取り戻しのために、
旧来型の政策に転換してゆくことが、
さまざまな自民党議員の発言から読み取れる。
そして、後段が非常に重要なのです。
なぜ、「福田優勢」かというと、
福田さんは「霞ヶ関」が一体となって支援できる体質の政治家だからだ。
財務省を筆頭とする日本中央官庁が林立するまち「霞ヶ関」。
霞ヶ関の官僚のみなさんは日本の頭脳である。
が、国の命運を決めてゆくのは国民のみなさんの民意によって選ばれた
政治家が舵取りをするべきである。これ至極当然。
しかし、いままでの日本は連綿と築かれた「霞ヶ関」が中心になった
権力構造のなかで動かされてきた。
それを、すこしずつ永田町と地方政治が一体となって壊しつつあった
現在までの動きであったものが、今回「福田」という選択で
たぶん完全に「霞ヶ関」主導に回帰してしまうのではないだろうか。
そうして、「福田自民党」は「霞ヶ関」と一体となって
徹底的に日本という国を世界でも類をみない「オールドファッション」
の政治システムに戻すつもりではないだろうか。
現在、福田さんは明確な「国のかたち」を示してきた具体的な
政策も提言も聞いてはいない。
それがこのシステムの中核に座る人物であることを
なによりも明確に示しているように感じています。
そういう選択をする自民党に小沢民主党はどう臨んでゆくのか。
「生活が第一」という視線と、「霞ヶ関」との一線の画し方を
キチンと守りつづければ、国民の支持はおのずと流れが決まるのだろう、
と、私は思います。
そして「衆議院選挙」。
福田総理は、選挙はしばらくしない。
このシステムが機能して安定するためには
20年度予算、そしてできれば21年度予算まで組んで
地方を完全に取り返したい。
できれば、さ来年の春から夏という任期一杯まで引っ張りたいのだろう
と考えます。
ただし、途中で民主党に大失態がでたりして
「好機到来」となれば、話は別でしょうが。
今後の政治の主戦場は「地方」。
地方でのコントラストが自民と民主でだしてゆけるのか。
つまり、地方での「泥臭く」しかも「実情把握」が
政策的にも選挙対策的にもだしてゆけるのか。
その勝負でしょうね。
・・・ただし、
現状の民主党では、「地方」での戦いは厳しいものがあります。
衆議院選挙対策ひとつとっても、選対の担当者がどれだけ地方の
その選挙区の実情を把握して候補者擁立を進めているかというと、
対自民党を考えたときに薄ら寒くなります。
小沢代表が「小沢方式」で、候補者の差し替えも含めて
もういちど選挙区体制づくりを地方議員や在野の応援団の支援を
受けやすい体制をつくるための総チェックすることができたら
かなりいい線にいくと思うのですが。
政策も同様です。
どれだけ、「地方」のナマの言葉を聴くことのできる体制をつくれるか。
それにかかっていると思います。
この民主党の抜本改革は小沢代表の豪腕をもってぜひやっていただきたいと、
一党員として期待してやまないところです。
以上、諸々勝手なことを書きましたが
あくまで個人的見解として記述しておきます。