『日経がFTを買収』という日経の一面をみてびっくりしました!
FT(フィナンシャルタイムズ)は、世界有数のイギリスの誇る経済紙で、
私も熊谷弘先生の秘書時代、毎日購読されていた熊谷先生に
『君はこの記事のついてどう思う?』と、
あの独特の山吹色の新聞紙の記事を差し出され、
四苦八苦して判読をした覚えがあります(苦笑)ので、
思い入れの深い新聞です。
日本の新聞とは違い、イギリスの、というより欧米の思考、
いわゆる”グローバルスタンダード”とはこういう見かたをするのか、
同じ事項でも角度が違うとこうも違う解釈になるのか、
とよく驚愕しましたし、本当に勉強になりました。
最近も海外便の飛行機などで山吹色したFTを見つけると、
うれしくなって読んでいるFTです。
・・・辞書を持っていないことに後悔しながらですが(笑)
個人的な思い入れはさておき、
”あのFTが”という衝撃は世界に広がっていることでしょう。
大きな衝撃のひとつは
「いよいよ新聞紙の時代が終わろうとしているのか」という観測でしょう。
ITの発展によって、新聞紙の販売量が減っているのは世界的な兆候です。
これは新聞業界にとって皆わかっているコトで、その対策として各紙とも電子化を図っており、
特にFTは電子化を積極的に進めており、有料購読の70%がオンライン購読であるだけに
今回の身売りは意外でもありました。
新聞業界がより厳しい状況にあるということが、
こういうカタチで世界の有力紙が身売りしたことで、よりはっきりしたということでしょう。
もうひとつ。
日経新聞に文句はありませんが、
前述のように、”世界のモノサシ”のひとつとなるFTです。
ぜひ、その独自性や解釈を、”日経標準”にしてしまうことなく守ってもらいたいと、
私もですが、世界も思っているはずです。
残念ながら、日本の常識は時に世界ではまったく異端であったりしますから(苦笑)
逆に言えば、だからこそ日経は独自性を持ったFTとパートナーになることによって
日本の経済が世界から時代遅れやガラパゴス化になることを防げることにもなるはずです。
ぜひ、そんな関係になってほしいと祈る今回の買収劇です。