野田民主党政権についての個人的見解

野田政権の内閣および党運営体制が固まりましたので、
民主党地方議員として、
またこの2年間の民主党政権との比較論的な意味で
個人的な現時点での感想を申し述べておきたいと思います。

まずひとことで言うと
「やっと本格的な政権運営ができそうだな」という感じです。
今回の体制づくりの特徴を下記に列記します。

①徹底的な党内融和人事。
 これ、「不適材不適所」もあり
全面的に評価できるものではありませんが、まず足元を固めて、
しっかり国家的課題に正面から取り組もうとする
不退転の決意の表れと私は評価しています。
 ただ、これはあくまで党内一丸体制づくりを第一義とした、
”やむをえない”「不適材不適所」なので、
さっそく露見した経済産業大臣の「不適切発言」のようなたぐいは(失礼)
即刻お辞めいただき、一丸となって全体が仕事を続けてゆける体制を
死守してゆくことが大切だと思います。

②政調会の現実的機能への変更
 大きく変わったのが、政策調査会の機能と権限でしょう。
政調会に「党税調」が入り、税金のありかたについて協議検討し
政府税調に具申するカタチができ、そして税金のありかたの根拠を
議論することにもなる政策づくりの「部門会議」が見直され、
大いに政策討議をする「場」が民主党内に確立されました。
私としては大評価したいと思っています。
 このカタチは、実は自民党の政策協議システムとほぼ同じです。
なので、『自民党の焼き直し』だの『族議員ができる』と
いうような批判はあるようですが、
もともと長年政権を担ってきた自民党が試行錯誤の結果、
このカタチが一番だという結論にたどりついたカタチであり、
秘書時代から政策形成過程を永田町で体験し、学んできた私にとっても、
”皮膚感覚として”これが一番よいのではと感じています。
野田総理は、私が感じる以上にこの2年間の民主党の政権運営の
反省にたって、お決めになった体制だと思います。
その証拠に「部門会議」の座長には、
それぞれの政策に詳しい議員が配置されました。
大臣人事とは一転して野田流のしたたかな人事でもあるのでしょうが、
これは機能するのでは、と感じています。

③幹事長室と政調会の絶妙な役割分担
輿石幹事長は「陳情の幹事長室への一元化」に
こだわりをみせているとのこと。
”対立の芽だ”とマスコミは書きたがるでしょうが、
実はコレ、絶妙のバランス、役割分担だと思います。
自民党には選挙を仕切る「総務会」という機能がありますが、
民主党にはなく「幹事長室」がこの機能を担うこととなります。
自治体や業界団体、各界各層の「喫緊の課題」や「現状や近未来予測」
ときには「エゴにも近いような要望」などなど、
さまざまな思いのカタマリである「陳情」は、
ときには大いなる政策議論を邪魔する存在にもなります。
ゆえに、幹事長室がさまざまな角度から
この陳情を精査してゆくという機能は私は”有益”だと思っています。
 ・・・また、余計なコメントですが、
これが機能したら、野田民主党は自民党にとって恐るべき存在でしょう。

以上個人的見解と致しますが、
あくまで私は一貫して申し上げてきているように、
私たち政治家は、
政党の勢力拡大のために仕事をしているわけではありません。
国家国民、県民、市民のために、”しっかりやれ!”
というご負託を頂戴して政治をやらせていただいているはずです。
そこをはきちがえることなく、
野田政権にはがんばっていただきたいと思います。

よく「野田政権は民主党にとって後のない政権」と言われますが、
そうではなくて「この政権は日本にとって後ない政権」であるのです。
そこまで日本が追い込まれていることを皆が感じて、
政治家は政治に取り組んでいかねば、
有権者のみなさまには、
そのような世界観で政治をみていただきたい、と思います。
決して「民主党」だ、「自民党」だという矮小された世界観ではなく
「日本をどうするか」「未来をどうするか」のはずです!
私は一貫してそれを訴え続け、実践し続けたいと思っています。

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