代表質問①『少子化対策について』

川勝知事が今年夏任期2年を終えた折り返し地点で、
「残り二年の任期では少子化対策に力を注ぐ」と
各方面に発信されました。

そこで、その少子化対策について考えたいと思いますが、
まず、問題提起して、認識しておきたいことは、
『子育てとは「あくまで私的なもの」か、
北欧やフランスのように「社会的に支えるもの」なのか。』
ということについて日本では議論が不十分であるという現実です。
これは、今後議論を深め、
少なくとも「社会的に支えるもの」という合意がなされないと、
本当の意味での少子化対策は進まないのかもしれません。

それを念頭において、
幅広い少子化対策から、意識改革という切り口で、
県庁でも率先垂範できそうなものなどに絞って提案を申し上げ、
知事のご所見をお伺い致します。
まず、職場の意識改革についてであります。

まずは、現在の少子化問題の時代背景を考えます。
現在二〇~四〇代の出産育児世代の傾向として、
生まれた時からモノがあることが当たり前であるために、
現在の不況の時代に入っても生活レベルを下げられない、
下げたくない傾向が強いということ。
ゆえに、貯蓄も五〇代以上に比べると激減し、
この世代はボーナスで月々の生活を補填しているという現実があります。
また、年金等の社会保障制度のぐらつきで
「自分達の老後の不安」や「親の介護」などにお金が必要と考え、
子どもをつくることを諦める状況になっています。
更にその上に、保育園や学童保育の不足などの子育て環境も
不十分なため、益々少子化のマイナススパイラルに
はまっていると考えます。

さらに、女性目線で考えると、
結婚している女性が「専業主婦」多数派時代から、
平成9年を境に「共働き」多数派時代にシフトし、
「男女雇用機会均等法」の施行で、ますます女性の社会進出が増え、
大きな社会環境の変化がおきています。
が、しかし男性側は、
子育て中はどうしても母親側に負担がかかることを頭でわかっても
身体ではわかっておらず、本当の女性の育児負担に対しての理解が
進んでいないのが実情だと、私自身の反省も含めて感じています。
これが少子化の原因のひとつ「男性および職場の理解不足」です。

そこで、一つめの提案は、
「男性職員の育児休業取得のほぼ義務化」です。
しかも、できれば1ヶ月以上の長期で。
現在の県庁職員の育児休業取得率は女性がほぼ一〇〇%に対して四.二%。
これは、「経験・体験は何にも勝る」と言うとおり、
先程指摘した男性側の「育児の大変さを身体でわかっていない」
ことの解決にもつながり、男性の育児に対する意識改革だけでなく、
実際の「職場環境作り」や「県の子育て施策立案」にも
多大な好影響が出ると考えられます。
また「ほぼ義務化」すれば、内部的には「出世に響くのでは」
という考え方も平等化しますし、外部的には日本初の試みだけに
「静岡県は少子化対策に本気だ」というインパクトは計り知れないものがあります。

二つめの提案は、
幼児を抱える職員の育児環境を詳細に調べ、
たとえば祖父母が育児に日常的に参画できる状況かどうか、
育児と同時に介護対象の親族がいるか、配偶者の職場環境はどうか、
などまで配慮した上での職場配置がされる制度を作ったり、
現在ある各種の職場復帰支援策の強化をはかる人事・福利厚生面での
環境整備が必要と考えます。

三つめの提案は、
現在県庁職員同士で結婚されているカップルは四〇〇組八〇〇人います。
現在は「家庭と職場は別」という考えの下で同じ部署には配属される
ことはありませんが、あくまで「希望」によってですが、
夫婦でひとつの仕事を「午前」「午後」というように
ワークシェアリングすることができる選択制度もつくったらどうでしょうか。

四つ目は、
代替職員の確保策の充実です。
専門職種や現在時限で雇用している非常勤や臨時職員の
能力の高い人材を保持するために、継続ないしは連続雇用するための
規制緩和や必要な各種休暇を取得できる制度をつくることも大切だと考えます。

このように、県庁が率先して取り組めば
少子化対策につながる意識改革や制度づくりの機運が高まるように
感じていますが、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、企業内保育所設置促進についてであります。
保育園に関しては、今も不足しているのが現状ですが、
車通勤比率が高い本県では、本当は職場に保育所があるのが、
病気の時や急な残業の時にも臨機応変に対応できる、
ということで各社社員要望が高いとお聞きします。
しかしながら、企業内保育所を整備するためには
初期投資およびランニングコストもかかるため
各企業とも躊躇しているのが実情です。

現在、国の補助制度はありますが、
県としての補助制度はありません。
そこで企業内保育所の整備促進を進めるために、
すでに埼玉県などで導入している県単独の補助制度を創設すべきと考えますが、
知事のご所見をお伺いいたします。

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